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このへんで読むのあきたらページのトップへ(笑)


最近の兄貴(第五回)
「兄貴の青春」

 先日、ゼミの卒業旅行で沖縄に行ってきた。3月に入ったにもかかわらず、まだ寒さの残る東京に比べ、もう沖縄は生暖かい風を心地よく感じられる季節へと既に移り変わって・・・、と思っていたが、寒かった。日夜かかわらず半袖のTシャツ、そしてゆっくりと波打つプライベートビーチを闊歩している自分を想像していたが、実際、そんなことをしていたら風邪を引いていたに違いない。
 しかし、沖縄の魅力は気候だけではない。沖縄が醸し出す琉球というゆったりとそして居るだけで心を和む雰囲気がゼミ一行を包み込み、終始、楽しむことができた。


兄貴と15期生(2004年沖縄)

 以前、沖縄返還のために闘っていた兄貴もようやくこの地を訪れることができ、感慨深かったようだ。琉球の神々に感謝、感謝、感謝なのである。

こんにちは、レンタローです。

 今回のテーマは「兄貴の青春」。
 漠然としたテーマである。青春という単語のせいだろう。七十歳を過ぎていても、まだまだ青春だ、という人もいるし、二十歳そこそこの若者が、もう青春は終わりました、と言ったりするように、青春の定義というものは人それぞれ異なり、青春とはこういうものだと断言するのは難しい。 ここでいう青春とは、青年時代ということにしておく(青年時代はいつからいつのこと、などという質問は一切受けつけんぞー!!!)。
 このようなテーマを選んだのは、「先生は挫折したことがありますか?」という質問から兄貴の青年時代を聞くことができたからなのである。

 上記の質問をぶつけると「あります。私は大挫折をしました。革命家を目指していました。」と、言う。
 「ハァー」吐息と共に出てしまったような気の抜けた返事をしてしまった。今の世の中、改革という言葉をよく耳にする。「構造改革」やら「企業改革」やらで、改革という言葉が世に溢れかえっている。しかし、本当に改革なんてできるのかと、多くの人が懐疑心を心中、抱えているようなこの時代。そんな時代に生息している俺に、革命家とはいかなる所存、という訳だ。
 半信半疑で聞いていた俺から思わず出てしまった返事が「ハァー」だったのである。
 しかし、顔を上げ、兄貴の表情を見ると真剣其の物であった。これは、あながち冗談ではないと察し、「革命家と申されますと・・・どういうことですか?」と聞くと、「18から28歳まで共産党員で、日本で革命を本当に起こそうと思っていたんだけど挫折しました。出来ませんでした。」「そうなんですか。」と、相槌は打ってみたものの、実はまだ話が読めていない。

 兄貴は続ける。「授業でも言ったことあるけど、その時日本の企業が、反対派の人も引きずり込んで、文句は言うけど働かせるという懐の深さを見て、研究しようと思ったんだよ。」と言う。だから、僕の人生は挫折の上に成り立っている、と明言し、大学の先生に成りたくてなったというよりも、潰しが利かなくて先生になったんだ、と淡々と語った。
 


マリオ

 このような回答は全く以って予想外だったので、ただただ聞き入ってしまった。(しかし、授業で言ったことがあると言っていたなー。俺がサボっていたためか。反省。)

 そっか、学生運動か。俺の中で学生運動というものの、イメージは陰陰滅滅という感じで、周囲でも話をしてくれる人がいなかった故、触れることなく通ってきたものであった。まさに、鬼門であった。しかし、その門は意外なかたちで開かれた。
 再び兄貴に聞く。「革命って具体的に何をするんですか?」「んー、以前、地方自治体で社会党、共産党が多数を取っていた時があり、それを国レベルでやろうと思ったんだよ。」なるほど、そういうことか。今まで、もやもやと霧がかっていたのものが、姿を現し、話が読めてきた。
 更に兄貴は語る。「左翼の人たちで出世する人がイエス・マンばかりでおかしいと思い、かなり悩んだ末、辞めました。」んー、普段あまり聞けない話を聞けて、インタビュー冥利に尽きるなー、と思いながら、「なるほど。」「へー。」「ほー。」と相槌を打つ徹底した聞き手となっていたのであった。
 
「よく、卒業シーズンになると、尾崎豊の『卒業』を歌い、『先生、あなたは権力の代弁者なのか』と言いながら俺のほうを見る奴がいたが、ふざけんな、この中で学校と闘ったことのある奴は俺だけだぞ、なんて言ったもんだよ。別に石を投げたり、校舎の窓を割ったりはしなかったけどね(笑)」「なるほど(笑)」

 今の世の中では、社会全体を変えていくというよりも、個人が変わり、既存のシステムの中でどうするかという潮流があるように思える。そのためか、兄貴の話を聞き、世代の違いを感じると共にとても新鮮なものを感じた。兄貴から青年時代の話を聞けた嬉しさと何も知らなかった無知な自分にちょっと恥ずかしさを感じた。そんな、うれし、はずかし、「兄貴の青春」でした。

(レンタロー)
 


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